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Soul Link(2005年9月4日 執筆) |
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見どころ: 色彩
素敵な宇宙船地球号でもなければ、波動砲を撃てる戦艦でもなくごく普通の宇宙ステーションで
くりひろげられるテロとの戦い。そんなことはどうでもよく、犬のクーちゃんがいなければ面白くも
なんともないゲーム。キャラ、シナリオ、音楽イマイチ、色彩OK、犬サイコー。
■ プレイ
プレイを始めて30秒後、間違ってメルティブラッドのサントラを入れっぱなしにしていたのか
と思いました(笑)。
当初プレイ前までは、シナリオ、キャラ、テキスト、音楽にはさほど期待していませんでした。
その代わりに、前作「SHUFFLE!」を作ったこのメーカーの色彩には並ならぬ期待を抱いていましたが、
前作ほどの衝撃はありませんでした。それでもハイクオリティな光の使い方でしたが…
■ シナリオ
ななみと犬のクーの物語。泣けます。
他に見所はありません。森本さんとななみの"宇宙に行った犬"の話で結構ボリュームをとったために、
ななみとクーのお別れの場面で、それを想起できるようになっています。森本さんと沙佳の話では、
両者の関係を印象付ける伏線が全く描かれていない為に、不発になったイメージが残ります。
シナリオ全般を通して、キャラやイベントの描き方が薄いのに最後の最後で伏線全部放棄…
何も始まらず、何も終わらない印象が残ります。涼太の成長過程に的を絞ってボリュームを出していけば・・
例えば、テキストにおける涼太の心理描写の比重を増やしたり、周囲の人間との関係に波を持たせたり
することによって、キャラクターに随分と深みを与えることができると思います。(というのも、キャラクターが
魅力的に見えないものは大抵、キャラクターの性格定義的な部分を人間関係とは切り離されたところで
描くことが多いように思えるので…)
■ 演出
シナリオの骨組みはそこそこしっかりしているのに、圧倒的演出不足。魅せる努力を全くしていないので、
キャラの個性は表面的。作中で「〜という性格だ」などと語られても、それを実感する描き方がされて
いない為に、今ひとつついていけませんでした。緊迫感漂うシーンにおいても今ひとつその雰囲気が押し出され
てきませんでした。イベントがそこそこあるのに、表現が平坦なのもイマイチでした。
■ 色彩
今回も良かったように感じます。宇宙ステーション内でのチェレンコフ現象光のような青い輝きと、地上での
日の光…。一目見て「キレイ」と思えるものばかりでした。ただし、"色彩に込められた意味"が、あまり見て
とれなかったのが多少残念でもあります。
■ 音楽
BGMの雰囲気があまり作中の雰囲気にあっていません。BGM自体もそれほど面白いものが
ありませんでした。キャラの雰囲気にはミスマッチですが、"NANAMI"はいい曲です。
蛇足ですが、"nightmare"が、メルティブラッドのシュライン屋上の曲に良く似ています。
■ 総評
とにかく演出不足。せめて主線以外の方々がどうなったかぐらい、知りたいところ…。
くれぐれも書きますが色彩はよしっ。
コンテンツCDの、ウィンドウ最大化時のゲイルの台詞が「縮み上がってんじゃね〜っ!!」
には笑いました。
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